「端末メーカ各社の国内動向−2004年度上期−」
【要約】
上期は業績に明暗
携帯電話端末メーカ各社における2004年度上期は、カメラ搭載端末への買換需要一巡で業績に明暗が出た。
最大手であるNECの苦戦に対し、高機能端末が好調であったシャープの健闘が目立った。
NECはPDC方式端末の需要減少以外に、海外3G端末の高機能化で出遅れた点などが響いたという。
また、三菱電機や富士通も赤字を計上している。
一方、シャープはNTTドコモやボーダフォン向け端末が相次いで成功を収め、パナソニック
モバイルコミュニケーションズもわずかな黒字を記録した。
東芝もKDDIやボーダフォン向け端末の高機能化が奏功して営業損益が黒字に転じ、三洋電機も端末事業単体では前年同期比16.8%増の売上高を計上したものとみられる。
通期に大きく影響
上期の不調を受けたNECは需要の冷え込みが当初予想よりも早く動き出したと危機感を強めている。
それに伴い、当初計画していた通期出荷台数目標を下方修正した。
三菱電機や富士通も目標見直しに踏み切っており、三菱電機は下期も赤字を見込んでいるという。
富士通の場合、下期に部品調達コスト削減で黒字転換を図るものの、通期黒字化は厳しいものとみられる。
一方、シャープは上期の好調を背景に通期売上高を上方修正し、東芝も通期営業損益の黒字化を見込んでいる。
【キーワード】
上期は2,171万台
2004年度上期における携帯電話端末の出荷台数は需要一巡による低迷から、前年同期比16.1%減となる2,170万8,000台となった。
下期が2,279万台
下期における出荷台数は事業者各社からの年末商戦向け新端末の市場投入が期待されるものの、同4.9%減の2,279万台にとどまる。
通期では10%減
下期に挽回を図るものの上期の出荷低迷が響き、通期でも同10.7%減となる4,450万台の出荷となる見込みだ。
【2.市場規模推移と予測(2003〜2008年度)】
上期は2,171万台
電子情報技術産業協会(JEITA)によれば、2004年度上期における国内携帯電話端末の出荷台数は前年同期比16.1%減となる2,170万8,000台になったという。
JEITAでは2003年度はカメラ搭載端末の普及などで高い実績になったが、現在は市場が成熟化しつつあると分析している。
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