これまでの地上アナログ放送に比べ、地上デジタル放送は映像や音声の品質が向上する以外に、チャンネル数も拡大され、データ放送によるテレビのマルチメディア化が進むものとみられている。
また、通常の固定型テレビの他に携帯電話端末への放送も可能になる。
従来の地上アナログ放送では受信画像が安定しづらく、世界でもSamsung Electronicsが製品化している程度であった。
ケータイ向け開始未定
携帯電話向け放送がメリットとともいえる地上デジタル放送であるが、開始時期はみえていない状況だという。
行政としての準備は完了しているものの、映像圧縮技術のMPEG-4を巡るライセンス料の問題から、民間で映像圧縮方式などを検討しているためだ。
一方、端末メーカなどは続々と試作端末を発表し、試作端末での成果を踏まえ、さまざまな仕様が固まるのを待つ姿勢だ。
また、地上デジタル放送の利用意向度調査によると、多くの回答者が利用意向を示しており、早期的な開始が待ち望まれている。
【キーワード】
☆試作端末が続々!!
KDDI研究所とNHK放送技術研究所の「TVMobile(仮称)」、「FOMA N2051」ベースのNEC、90分視聴可能な三洋電機と、試作端末の発表が相次いで行われている。
★開始時期は未定!!
MPEG-4を巡るライセンス料の問題から映像圧縮方式の仕様が決定できず、未だに携帯電話向け地上モバイル放送の開始時期は未定だ。
しかし、試作端末を開発したメーカなどでは、2005年を視野に商用端末化を進めている。
☆視聴ニーズ高し!!
東京放送と博報堂、松下電器産業の3社が2002年11月に実施した視聴意向調査では、多くの回答者が利用意向を示したという。
地上デジタル放送が携帯電話ユーザに受け入れられる可能性が高いことが予想されている。
【5.地上デジタル放送における課題】
MPEG-4ライセンス料
試作端末も続々と開発され、いよいよモバイル向け地上デジタル放送の開始も視野に入りつつある。
しかし、放送開始には大きな壁が待っていた。
それはモバイル機器の大きさや重さ、バッテリでもなく、映像圧縮技術のMPEG-4であった。
MPEG-4は低ビット・レートで配信が可能なため、携帯電話向け動画配信に適している圧縮技術だ。
当初、NHKや日本民間放送連盟(民放連)もMPEG-4を採用しようとしていたが、MPEG-4のライセンス料に問題が発生した。
【6.モバイル放送の動向】
衛星のモバイル放送
モバイル放送が2003年7月25日から、2004年の本格放送に向けた実証試験を開始した。
"日本中でどこでも聴ける、みられる放送サービス"というキャッチ・フレーズの基に、日本全国で視聴が可能なデジタル静止衛星を利用した移動体向け放送サービスだ。
2003年11月からは試験放送へ移行させ、2004年春に本格放送を開始する計画となっている。
正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。
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