「端末メーカ各社の動向-2002年度上期-」

【要約】
上期はカメラが盛況
2002年度上期はNECの折り畳み型「iモード」端末が好調を維持したものの、国内出荷では340万台となり、前年同期2位の松下通信工業に首位を空け渡した。

首位となった松下通信工業も前年同期から6.4ポイント減の19.0%のシェアにとどまっている。

上位2メーカが低迷ぎみであったのに対し、大躍進を遂げたのがカメラ搭載端末のトップ・メーカであるシャープであった。

NTTドコモ向け「SH251i」の出荷が好調で、その他の端末も含め296万台となり、シェアを15.0%へと急拡大させた。

その結果、2002年度上期の出荷台数は前年同期比18.6%の減少となる1,977万台となった。

下期はカメラが必須
下期も新規加入の低迷は続くものの、カメラ搭載の新端末投入による買い換え需要が拡大する見通しで、前年同期比8.9%増の2,092万台に達し、通期では前年度比6.4%の減少となる4,069万台の出荷が見込まれる。

下期は携帯電話事業者各社からの新端末投入が相次ぐものとみられ、総出荷の過半数がカメラ搭載端末になるものと推測される。

上期以上にカメラ搭載端末が好調で、下期の市場も牽引する可能性が高い。

【キーワード】
☆上期は松下がトップ!!
2002年度上期の出荷実績において、松下通信工業がNECを抜きトップ・シェアを獲得した。

しかし、上期はNTTドコモの「iショット」対応端末が各社から市場投入されていたが、松下通信工業とNECは「251i」端末の投入が遅れた。

その結果、2位と3位との差が縮まってしまった。

下期には両社ともカメラ搭載端末の投入が決定しており、巻き返しに期待がかかる。

★カメラの高画素化!!
携帯電話端末に搭載されているカメラも、現在は11万画素から31万画素へと移行しており、将来的には100万画素以上のカメラ搭載端末も市場投入されるものとみられる。

実際に100万画素を超える携帯電話向けカメラ・モジュールは、すでにロームが「CEATEC JAPAN 2002」で公開しており、2003年早々にも市場投入される可能性が高い。

☆NECは通期で挽回!!
2002年度上期に松下通信工業にトップの座を奪われたNECだが、通期では辛うじてトップに返り咲くものとみられる。

折り畳み型「iモード」端末では人気のNECであり、「iアプリ」に加え、カメラまでも搭載した「N504iS」の登場に期待がかかる。

また、松下通信工業も「P251iS」の市場投入を決定しており、シャープも含めたカメラ搭載端末の争いが激しくなりそうだ。

【市場規模】
2002年度の国内出荷実績は前年度比6.4%減の4,069万台となり、辛うじて4,000万台ラインに踏みとどまるものと推測される。

下期も上期と同様に新規加入の伸び悩みから、買い換え需要がメインとなるが、各社からの新端末投入により上期を若干上回る出荷台数になるものとみられる。

2003年度以降も微弱ながら出荷台数は落ち込んでいく。

表:携帯電話端末の出荷台数推移と予測(単位:万台)
年度 2001→ 2006
合計出荷台数
       4,349→3,500
※2002年度以降はエムレポート推定。

【携帯電話端末の行方】
カメラ搭載が標準化

J-フォンの「写メール」のヒットを背景に、今や携帯電話端末にカメラが搭載されるのは必須となりつつある。

すでに2002年度上期の実績で総出荷台数1,977万台のうち679万台がカメラ搭載端末となり、搭載比率は34.3%となった。

下期には端末メーカ各社の主力機種にカメラが搭載されるものとみられ、2,092万台のうち69.4%がカメラ搭載端末になり、1,451万台にカメラが搭載される見込みだ。

これに伴い、通期には合計2,000万台の大台突破が期待でき、下期はカメラ向け部品を確保し、生産量も確保できるメーカがシェアを伸ばす可能性が高い。

正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。

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