これらはすべてNTTドコモの端末だ。
もともと、1999年7月に市場投入されたNTTドコモの「NM207」...ノキア・ジャパンのNM207が国内初の赤外線通信機能搭載の携帯電話となっている。
その後、1999年11月には三菱電機からNTTドコモ向け「D208」も市場投入され、2社の端末が携帯電話における赤外線通信を確立していった。
ただ、当時の赤外線通信の利用は主にアドレス帳などのデータ交換のみに利用されていただけであった。
しかし、NTTドコモの「503i」シリーズ以降、この傾向に変化がみられるようになる。
「iモード」と赤外線通信を組み合わせることで、レンタル・ビデオ店の会員証の役目を果たしたり、自動販売機でキャッシュレスで商品が購入できるようになったのだ。
そして、NTTドコモの「504i」シリーズでは、赤外線通信が標準搭載になり、「iアプリ」と連係させることで、さまざまなアプリケーションが利用できるようになっている。
ようやく携帯電話における赤外線通信機能に注目が集まるようになってきた。
【キーワード】
☆従来はデータ交換!!
従来の赤外線通信単体での利用から、「iモード」や「iアプリ」などのプラットフォームとの連係により、より高度化したサービスが提供されるようになった。
★504iで標準搭載
NTTドコモが「504i」シリーズへ標準搭載したことにより、NTTドコモは2002年中に1,000万台規模の赤外線通信機能搭載端末を見込んでいる。
2003年にはKDDIも後発参入する見込みで、2006年には携帯電話全体のほぼ半数を占めるものと予測される。
☆Bluetoothと共存!!
現在はモジュールコストの面などから、「Bluetooth」の先を走る赤外線通信だが、いずれBluetoothモジュールのコストも下がることが見込まれる。
そのため、今後、赤外線通信はセキュリティが気になる家庭外での利用向けに、一方、Bluetoothはセキュリティの気にならない家庭内での利用向けへと棲み分けされていくものの予想される。
【市場規模】
KDDIが2002年秋から実施する計画のクレジット決済実証実験も2003年度中に商用化が見込まれ、ますます携帯電話端末に赤外線通信機能が搭載されていく流れにある。
また、赤外線搭載メーカ・シェア(2002年6月末の504i機種別シェア)や市場の普及&阻害要因(赤外線とBluetoothモジュールの価格推移)は本レポートをご参照ください。
表:赤外線通信機能搭載の携帯電話数の推移(単位:万台)
年度 2001 → 2006
携帯電話
6,900→8,900
赤外線搭載
500→4,300
比率 7.2%→48.3%
※エムレポート推定/2002年度以降は予測
【赤外線通信の行方】
赤外線規格の市場を捉える上で、大きなインパクトを持っているのが「Bluetooth」だ。
現状はBluetoothのモジュールや搭載コストなどから、NTTドコモも赤外線通信を採用したものと思われるが、Bluetoothのモジュールや搭載コストも赤外線通信並みに下がるものとみられている。
その時に赤外線通信市場はどうなるのだろうか。
考えられるシナリオは主に3つある。
条件はBluetoothモジュール価格の値下げが行われ、赤外線通信よりもやや高額程度に落ち着いたと想定する。
3つのシナリオは、(1)Bluetoothが赤外線通信を凌駕する、(2)Bluetoothと赤外線通信の棲み分けが行われる、(3)赤外線通信がBluetoothを駆逐するなどだ。
なお、本レポートの予測では、(2)Bluetoothと赤外線通信の棲み分けが現実的な線だと考えている。
正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。
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なお、目次/図表はPC版に掲載しています。
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