試験サービスを終えたNTTドコモが、次に目指したのがFOMAの商用化だった。
10月1日から東京23区と都心から30km以内の神奈川県や埼玉県、千葉県の一部を含むエリアでFOMAが開始され、12月には東名阪へとエリアが拡大されている。
2002年4月には全国エリアでのサービスとして利用が可能になったFOMAだが、エリア面における不備や端末仕様の貧弱さなどから毎月の加入動向も低迷することになる。
キラー・アプリケーションといわれたTV電話も通信料の高額さや対応端末の少なさなどから、爆発的な普及はみられなかった。
発展途上なFOMA!!
こうした烙印を払拭させるべく、NTTドコモは積極的に付加サービスの開始やエリア拡大などに努め、端末メーカも端末のラインナップや端末仕様の改善に注力することになった。
その結果、サービス・エリアも徐々に拡大され、機種数や端末仕様にも成果があらわれつつある。
そして、いよいよ9月末以降には、これまでのFOMA端末に比べ、仕様が強化された第2世代FOMA端末が市場投入されることになる。
将来のNTTドコモの携帯電話事業を背負うことになるFOMAの第2幕が開かれる...。
【キーワード】
☆TV電話機能!!
国内の携帯電話事業者では唯一、TV電話を利用できるのが「FOMA」だ。
現状ではTV電話が普及の後押しにはなっていないものの、将来的なキラー・アプリケーションにはTV電話は欠かせない機能だろう。
また、NTTドコモではTV電話を普及させるため、すでにPHS端末にもTV電話機能を搭載させている。
★マイナス・イメージ!!
すでに「FOMA」はユーザに"FOMAは使えない"という負のイメージを与えてしまった。
このマイナス・イメージの払拭に力が削がれる可能性がある。
NTTドコモにとってはFOMAのイメージ回復戦略が必要になるだろう。
ただ、PHS事業に比べ、FOMAは主力の携帯電話事業であり、大規模なプロモーション展開ができる点は救いとなりそうだ。
☆02年度も苦戦続く!!
NTTドコモの2002年度における加入計画の下方修正により、2002年度は138万台から1/3にも満たない40万台程度へと縮小された。
この下方修正により、今後の加入計画にも大きな影響があらわれそうだ。
【市場規模】
2001年度は89,400台と目標の60%にも満たなかった「FOMA」だが、2002年度も大幅な加入は見込めそうにない。
NTTドコモが2002年度における加入計画の下方修正を行ったためだ。
下方修正は2002年度加入目標の138万台を1/3にも満たない40万台程度へと縮小させた。
表:FOMAの累積ユーザ数推移と予測(単位:千台)
年度 2001 → 2006
全体ユーザ
40,800→52,000
FOMAユーザ
89→15,000
比率 0.2%→ 28.9%
※2002年度はNTTドコモによる予想、2003年度以降はエムレポート推定。
【FOMAの行方】
切り札は映像メール
「写メール」や「iショット」の好調さをみると、すでにユーザは画像メールのやり取りに抵抗がなくなっているのがわかる。
従来の音声通話のみの利用がショートメッセージやメールなどの文字通信へと変化し、「写メール」や「iショット」に代表される画像と文字、「ムービー写メール」や「ムービーメール」の映像と文字の送受信へと、コミュニケーション・ニーズに変化があらわれてきている。
現状のニーズは映像メールにまで達しており、その映像メールを超えたところにTV電話のニーズがあるものと考えられる。
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