「携帯電話事業者各社の動向-2002年度上期-」

【要約】
音声減少、データ増加
携帯電話事業者各社の2002年度上期の決算が発表された。

各社とも売上高や営業利益の伸びが鈍っており、市場が飽和状態にあることが鮮明になっている。

これまで携帯電話事業者の収益を支えてきた総合ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)が、3年間で約10%も下落している。

各社ともカメラ搭載端末の導入などにより、データARPUは増加傾向を示しているものの、音声ARPUの落ち込みが響いた形だ。

3G/データ通信に望み
電気通信事業者協会(TCA)による集計では、2002年度上期における新規加入ユーザは296万台にとどまったとされる。

ユーザ数における伸び率の鈍化も目立ち、特にNTTドコモの伸び率は前年同期比9.7%増で、1年前の17.8%増から大幅に下がっている。

これに伴い、各社はARPU拡大を目的に画像や映像メールの普及を推し進め、データARPUの向上に注力することで、減少傾向にある音声ARPUを補完する考えだ。

【キーワード】
☆FOMAよりもカメラ!!
カメラ搭載端末の累積稼動台数が300万台を突破しており、当面はカメラ搭載端末を主体として、より多くのユーザをターゲットにする意向だ。

「251i」シリーズなどの投入により、トラフィックも拡大傾向にあり、今後のトラフィック増加を見込む。

★1xで700万を計画!!
すでにCDMA2000 1x方式は200万台を突破し、これから新規投入される端末はすべて1x方式端末となる。

新サービスと端末ライン・アップにより、1x方式を導入期から普及期へ拡大させ、2002年度末までに強気の700万獲得を目指す。

☆VGSも開始!!
2001年度に続いて、上期も「写メール」対応端末が好調なJ-フォンは、上期には670万までユーザを拡大し、ユーザ全体の約52%を占めた。

いよいよ12月20日には、3Gサービスの「Vodafone Global Standard」も開始される。

★2Gで収益改善!!
ツーカー3社は2Gサービスにおける音声通話と低速データ通信サービスを中心に事業を展開している。

上期は短期的なユーザ増よりも採算性に重点を置き、解約率低下に的を絞った結果、ユーザ数や売上単価の減少により減収となったが採算性は改善した。

【市場規模】
2002年度通期における携帯電話市場の純増数は600万いくかどうかという状況だ。

すでに一時期の勢いを失っているものの、欧州市場の70~80%という普及率をみれば、国内市場でも少なくとも8,000〜9,000万までは市場が拡大されるものと推測される。

表:携帯電話ユーザ数の推移と予測(単位:万台)
年度  2001 → 2006
NTTドコモ
         4,080→5,200
KDDIグループ
         1,600→2,050
 KDDI 1,220→1,650
 ツーカー3社
           380→ 400
J-フォン
        1,220→1,650
合計  6,900→8,900
※2002年度は各社による予想。2003年度以降はエムレポート推定。

正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。

ご購入はPC版にてお願いいたします。

なお、目次/図表はPC版に掲載しています。

トップ・ページへ
http://www.m-report.net/m/