「KDDIによるBREW戦略と利用動向」

【要約】
米国生まれのBREW!!
米QUALCOMMの「BREW(Binary Runtime Environment for Wireless)」は、携帯電話端末向けのアプリケーションを無線経由でダウンロードするためのソフトウェア・プラットフォームとして、2001年に開発された。

すでに韓国KT Freetelや米Verizon Wirelessにおいて、商用化サービスが開始され、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している事業者に広まりつつある。

現在、アジアや中南米計10ヶ国の事業者16社に導入が決定ないし検討されている。

先行導入された韓国や米国では、ゲームのダウンロードが人気となっており、国内における「Java」サービスの開始と同様の傾向を示している。

03年に国内も開始!!
国内ではKDDIがBREWを開始させているが、両社とは異なり、BREWアプリケーションがプリ・インストールされた端末が市場投入されているに過ぎない。

ただ、KDDIでは2003年にもダウンロード型BREWを開始させる計画だ。

Javaよりも高機能なBREWを導入することで、他社との差別化を図るとともに、バグ修正アプリケーションの配布など効率化も狙う考えだ。

【キーワード】
☆ハイ・パフォーマンス!!
「BREW」はネイティブで動作するため高速起動が可能だ。

「Java」アプリケーションも提供しているナビタイムジャパンが、BREWとJavaを同性能のハードウェア上で動作試験を行っている。

それによると、Javaの場合、「JavaVM」が立ち上がるまでにコーヒー・マークが現れるが、BREWは瞬時に立ちあがり、3倍高速だったとされる。

☆高い互換性!!
「BREW」は米QUALCOMMのベース・バンド・チップ・セット向けと誤解されることも多いが、実は同様のバイナリのままでBREW対応GPRS端末上でも動作させることができる。

もちろん、このGPRS端末には米Qualcomm製のチップセットが搭載されている訳ではない。

これにより、BREW対応であれば、端末の方式は関係ないことが証明されている。

また、米IBMがBREW向けに「JavaVM」を開発しており、サード・パーティの優れたソフトウェアがさらに端末を高機能化させるという追い風も吹いている。

☆韓国で100万突破!!
世界的にも他社に先駆け、「BREW」を開始させた韓国KT Freetelでは、すでに100万のユーザを獲得している。

ダウンロード数も毎月、増加傾向にあり、2002年12月末までに300万のユーザを獲得する計画だ。

「Java」が普及している国内では、BREWの利用拡大も見込め、KDDIの動向に期待がかかる。

【市場規模】
韓国KT Freetelのケースを考えると、すでに「Java」が1,500万にも及ぶ市場を築いている国内では、「BREW」の普及が進むものと考えられる。

KDDIは2003年以降に、ハイ・エンド/ロー・エンド端末の区別なく、ダウンロード型BREWサービスの開始を計画している。

これにより、ダウンロード型BREW搭載端末1号機以降に投入される端末には、BREWが標準搭載されていく可能性が高い。

表:KDDIの携帯電話/BREWユーザの推移と予測(単位:万台)
年度 2001 → 2006
携帯電話ユーザ
        1,220→1,650
 BREWユーザ
          100→1,300
 比率  7.4%→78.8%
※エムレポート推定/2002年度以降は予測。

【BREWの行方】
バグをBREWで修復

まず考えられるのが、KDDIも計画しているバグ発生時における「BREW」による修正プログラムの配布だ。

現在の携帯電話端末は高機能化に伴い、バグ発生も多くなっている。

従来はユーザ自らがキャリア・ショップなどに出向き、端末を引き渡し、修正処理が行われていたが、BREWの登場によりユーザ自らの手で処理することも可能になる。

たとえばJavaの実行環境にバグが見つかった際、販売後の端末でもユーザが修正されたバージョンをダウンロードすることで、バグを修正することができる。

バグ修正以外にも、機能追加やパフォーマンス向上でさえ、ショップに出向くことなくユーザ自らが実行できるようになる。

「バグ発生時にBREWで修復」以外にも、「パソコン化への切り札」や「ハード/ソフト開発の分離」「"リセット・ボタン"の登場?」「NTTドコモやJ-フォンも追随?」についても掲載しています。

正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。

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なお、目次/図表はPC版に掲載しています。

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