「スマート・フォンの最新動向」
〜法人よりも個人向けが普及のカギ auも参入を検討〜 |
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【要約】
国内ではPDA機能を併せ持った端末がスマート・フォン
ウィルコムの「W-ZERO3」が市場投入されて以来、国内市場ではスマート・フォンに注目が集まっている。ただ、すでに日本国内で投入されている携帯電話端末の多くは、スマート・フォンと呼べるほど高機能なものが多い。そうした中、ウィルコムの定義するスマート・フォンとは、通常の音声通話や携帯電話/PHS端末単独で利用可能な通信機能以外に、本格的なネットワーク機能、PDAが得意とするスケジュールや個人情報の管理など、多種多様な機能を持つ高機能携帯情報通信端末を指すという。
W-ZERO3の投入で賑わいはじめたスマート・フォン
日本国内のスマート・フォン市場を活性化させたのは、携帯電話事業者ではなくPHS事業者のウィルコムだ。ウィルコムがシャープや米Microsoftと共同開発した「W-ZERO3」の市場投入で火がついた。一方、携帯電話事業者のNTTドコモも2005年7月に「FOMA M1000(米Motorola製)」を投入した。その後、2006年7月には「hTc Z(台湾High Tech Computer製)」、9月に「BlackBerry 8707h(加Research In Motion製)」を相次いで投入している。また、ソフトバンクモバイルも10月に「SoftBank X01HT(台湾HTC製)」を投入して個人ユーザへの浸透を狙う。
【キーワード】
☆市場を牽引するウィルコム!!
ウィルコムは2005年12月に「W-ZERO3(WS003SH)」を市場投入して以来、2006年3月には新色のW-ZERO3(WS003SH)を、6月に高機能版「W-ZERO3(WS004SH)」を、7月には携帯電話端末に近づけた「W-ZERO3[es]」を世に送り出している。
★NTTドコモは法人向けを主力!!
NTTドコモは他事業者に先駆け、2005年7月に「FOMA M1000」を市場投入し、「W-ZERO3」シリーズの好調を背景に、2006年7月に法人向けに「hTc Z」を、9月には「BlackBerry 8707h」を、さらに10月からは個人向けもhTc Zの提供を開始した。
☆個人向けのソフトバンクモバイル!!
ソフトバンクモバイルは2006年10月に「SoftBank X01HT」を市場投入し、事業者ブランドを採用したことで端末価格を抑え、個人ユーザへの浸透を狙う。
★auは参入を検討中!!
KDDI(au)は他事業者に比べてスマート・フォンで出遅れてしまったが、参入に関して検討を続けているとされる。
【2.市場規模推移と予測(2005〜2006年)】
話題を呼ぶも2005年度の市場規模は10万台程度
2006年6月末において、ウィルコムの「W-ZERO3」販売台数は15万台を超えたものとみられている。一方、NTTドコモの「FOMA M1000」はさほど普及していないといわれる。それに伴い、スマート・フォンの動向が賑わいつつあるも、市場規模自体は極めて小さな規模にとどまっている。その結果、2005年度における市場規模は10万台程度にとどまるものとみられる。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概況
国内ではPDA機能を併せ持った端末がスマート・フォン
表:移動体通信事業者各社によるスマート・フォンの市場投入時期
W-ZERO3の投入で賑わいはじめたスマート・フォン
2.市場規模推移と予測(2005〜2006年)
話題を呼ぶも2005年度の市場規模は10万台程度
表:市場規模推移と予測(2005〜2006年度)
【普及拡大要因】
☆値頃感のあるSoftBank X01HTの売れ行き!!
表:スマート・フォンの端末価格比較
☆個人レベルからの普及!!
☆MNP導入によるスマート・フォンへの移行!!
☆強気なシャープの販売計画!!
☆参入メーカの増加による品揃え拡充!!
【普及阻害要因】
★利用に関する難易度の高さ!!
★高機能化によるパソコン化への流れ!!
★日本企業への普及は未知数!!
★ユーザは小型/軽量を好む!!
3.移動体通信事業者の動向
表:スマート・フォンの通信方式比較
表:スマート・フォンの基本仕様比較(大きさ/重さ/連続待受時間/連続通話時間)
表:スマート・フォンの基本仕様比較(液晶/カメラ機能)
表:スマート・フォンの基本仕様比較(メモリ/OS)
表:スマート・フォンの基本仕様比較(外部接続機能)
ウィルコムの動向
W-ZERO3の販売台数拡大要因
7月にW-ZERO3[es]を投入
表:W-ZERO3[es](WS007SH)の主な仕様
図:W-ZERO3[es](ブラック、スライド収納時/スライド時)
図:W-ZERO3[es](ホワイト、スライド収納時/スライド時)
6月に高機能版W-ZERO3を追加
表:W-ZERO3(WS004SH)の主な仕様
図:W-ZERO3(パールホワイト、スライド時/ガンメタリック、スライド収納時)
3月にシャンパン・シルバーのW-ZERO3を追加
図:W-ZERO3(シャンパン・シルバー、スライド時/スライド収納時)
05年12月からW-ZERO3を投入
表:W-ZERO3(WS003SH)の主な仕様
図:W-ZERO3(ブラック、スライド時)
NTTドコモの動向
法人向け端末の提供方針を変更
10月からはインターネット受付でhTc Zの販売を開始
7月からHTC製Windows Mobile OS搭載端末の販売を開始
表:hTc Zの主な仕様
図:hTc Z(表面/裏面/スライド時)
9月から加RIM製BlackBerry 8707hを投入
表:BlackBerry 8707hの主な仕様
図:BlackBerry 8707h(ブラック、正面/左側面/右側面)
9月からBlackBerry ネットワークサービスを開始
7月にNTTドコモ端末を投入したモトローラ
表:FOMA M1000の主な仕様
図:FOMA M1000(ブラック・シルバー、表面/裏面)
ソフトバンクモバイルの動向
10月から台湾HTC製端末を投入
表:SoftBank X01HTの主な仕様
図:SoftBank X01HT(ブラック、表面/裏面)
図:SoftBank X01HT(ブラック、スライド時)
10月からHSDPA方式サービスを開始
スマート・フォン参入の検討を続けるKDDI(au)
08年3月にスマート・フォンを投入するイー・モバイル
4.メーカの動向
シャープの動向
2008年度に150万台の販売を目指す
表:ワイヤレスPDA市場の規模推移と予測
7月から米T-Mobile USA向けにワイヤレスPDAの販売を開始
表:PV200の主な仕様
図:PV200(表/側面)
図:PV200(キーボード収納時)
台湾High Tech Computerの動向
2007年までに50万台程度の販売を目指す
4月に日本法人のHTC Nipponを設立
音声端末の投入も計画中
hTc ZとSoftBank X01HTにおける機能面の違い
表:hTc Z/SoftBank X01HTの機能比較
5.その他の動向
10月にW-ZERO3向け業務閲覧ソフトを出荷したアクシスソフト
10月にhTc ZのIP電話端末化ソフトを販売開始した沖電気工業
9月からhTc Z向けに位置情報サービスを開始したビーマップ
8月にhTc Zを業務支援システム端末に採用した東邦薬品子会社
4月にウィルコムとセキュリティ分野で協業した日立製作所
6.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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