「携帯電話端末メーカ、シャープの成功戦略」
〜オンリー・ワン戦略で半歩先を見据える高機能化〜 |
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【要約】
半歩先戦略でメーカ別シェア第1位を獲得
シャープが2005年度通期に念願の第1位を獲得し、名実ともに国内最大手の端末メーカへと成長した。その背景にはシャープのモノづくり精神におけるオンリー・ワン戦略と、半歩先を見据えた端末の市場投入が大きく関係する。従来の国内シェアでは日本電気(NEC)が第1位、パナソニック モバイルコミュニケーションズは第2位、そしてシャープの第3位が定番の構図であった。
投入機種数の多さも好調の秘訣
シャープは2005年通期にNTTドコモ向けが5機種、ボーダフォン向けは9機種の合計14機種を市場投入した。新端末の供給が集中した結果、第1位を獲得するに至ったものとみられる。一方、パナソニック モバイルとNECはともに合計7機種の投入になっている。
海外向け出荷台数1,000万台に拡大
シャープは好調な欧州市場以外に、中国やロシア、インドなど新興市場にも参入する計画だ。海外市場向け端末の出荷を積極化することにより、2〜3年内に海外市場向け出荷台数を現状の約3倍となる1,000万台に伸ばす。
【キーワード】
☆オンリー・ワン戦略!!
シャープの成功にはモノづくり精神におけるオンリー・ワン戦略が関係している。
★半歩先を見据えた端末投入!!
シャープは1〜2歩先よりも半歩先程度の少しの先進性が重要だと捉えている。
☆投入機種数の多さも重要!!
シャープは2005年度通期に合計14機種を投入し、パナソニック モバイルとNECはともに合計7機種にとどまった。
図:シャープにおける端末事業の成長過程
【2.事業の方向性】
シャープの考える携帯電話ユーザ像
シャープによれば、現在の携帯電話ユーザは携帯電話端末に“使用価値”よりも、“所有価値”を見出しているという。そのため通常であれば、あまり利用しない機能も搭載していたいという欲求があるとされる。楽曲再生機能もカメラ搭載と同様に流行機能の1つであり、他メーカ端末に1つでも機能が見劣りする場合、自社ユーザを獲得することは困難だ。それに伴い、市場投入する端末は高機能でなければ、生き残りは難しいものとみている。
【目次/図表】
要約
キーワード
図:シャープにおける端末事業の成長過程
1.市場概況
半歩先戦略でメーカ別シェア第1位を獲得
投入機種数の多さも好調の秘訣
表:2005年度における市場投入機種数
海外向け出荷台数1,000万台に拡大
2.事業の方向性
半歩先のオンリー・ワン戦略でシェア向上を目指す
表:オンリー・ワン端末の一例〜世界/日本初の機能を実現〜
シャープの考える携帯電話ユーザ像
今後は4つの流行ポイントが重要
2010年には真の“モバイル・ライフ・ツール”へ
表:2010年に向けた想定される要素
4月に通信や液晶関連部門で組織変更を実施
緊急プロジェクト制度の存在
表:自社デバイスと製品部門の連携による端末開発
カメラ搭載端末の躍進は写メールの影響大
表:カメラ機能の進化
表:ボーダフォン向け端末の機能の進化
表:NTTドコモ向け端末の機能の進化
端末事業の好調要因は開発姿勢にあり
04年11月にソニー・エリクソンとFOMA端末向け開発で協業
【研究開発関連】
05年3月に広島工場の研究開発棟が完成
04年12月に広島に研究開発センターを竣工
04年5月から広島工場に移動体通信の研究開発棟を着工
メーカ6社へFOMA端末の開発支援を行ったNTTドコモ
【プラットフォーム関連】
07年度第2四半期までにNTTドコモなどとプラットフォームを共同開発
05年7月にEricssonと端末向けプラットフォーム契約を拡大
04年12月にEMPとライセンス合意を拡大
3.業績推移と予測
auへの端末供給で売上高拡大に拍車
図:携帯電話/PHS端末の売上高推移と予測(2001〜2006年度)
表:携帯電話/PHS端末の売上高推移と予測(2001〜2006年度)
表:携帯電話/PHS端末の半期別売上高推移と予測(2001〜2005年度)
4.端末出荷台数の推移と予測
国内外ともに出荷好調
図:携帯電話端末の国内外出荷台数推移と予測(2001〜2006年度)
表:携帯電話端末の国内外出荷台数推移と予測(2001〜2006年度)
上り詰めたシェア第1位
図:国内端末出荷台数の半期別推移と予測(2001〜2006年度)
表:国内端末出荷台数の半期別推移と予測(2001〜2006年度)
表:国内端末出荷台数の半期別市場シェア順位の推移と予測(2001〜2006年度)
5.端末投入の展開
2007年春にau向けAQUOSケータイを供給
MNP導入前にKDDIへ端末供給を開始
2つの端末デザイン“Simple+”“Combi+”
7月に文字変換でトラブル発生
表:ソフトウェア・アップデートの実施時期と期間
7月からFOMA SH702iSの販売を開始
表:FOMA SH702iSの主な仕様
図:FOMA SH702iS(オレンジ、開閉時/折り畳み時)
7月からDOLCE SLの販売を開始
表:DOLCE SLの主な仕様
図:DOLCE SL(エクストラ・ブラック、開閉時/折り畳み時)
6月からVodafone 705SH SLIMIAの販売を開始
表:Vodafone 705SH SLIMIAの主な仕様
図:Vodafone 705SH SLIMIA(シャンパン・ゴールド、左から側面、開閉時、折り畳み時の表/裏)
5月からボーダフォン向けAQUOSケータイの販売を開始
表:Vodafone 905SHの主な仕様
図:Vodafone 905SH(ブラック、左から開閉時、折り畳み時の表と裏)
図:Vodafone 905SH(サイクロイドスタイル時)
6.海外市場向けの展開
2〜3年内に海外市場向け出荷台数を1,000万台に拡大
2006年度から海外市場向けを3G端末に絞り込み
表:シャープからみた地域別動向
【中国市場向け展開】
2007年度に中国市場へ3G端末で再参入
中国市場展開は販売権利取得次第
【欧州市場向け展開】
CeBIT 2006で海外市場向けW-CDMA方式端末を展示
表:550SH/770SHの主な仕様
欧州市場で高機能端末を中心に展開
Ferrari Modelで販売促進
独T-Mobileへも端末を供給中
海外向け端末出荷は欧州市場向けが大半
04年2月からVodafone Group向けにGSM/GPRS方式端末を供給
【米国市場向け展開】
7月から米T-Mobile USA向けにワイヤレスPDAの販売を開始
表:PV200の主な仕様
図:PV200(表/側面)
図:PV200(キーボード収納時)
北米市場は低価格重視の傾向
04年7月に米Dangerと通信機能搭載PDAの開発などで提携
【その他の市場向け展開】
BRICsへも参入
インドネシアやタイ市場にもカメラ搭載端末を投入
7.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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