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「端末メーカ各社の海外動向−2006年度上期−」
〜撤退や事業規模縮小が続くも 3G端末で再参入〜 |
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【要約】
2.5G端末での撤退進むも3G端末で中国市場へ再参入
中国市場向け展開では、日本電気(NEC)が中国市場向け携帯電話端末事業を大幅縮小した。前期に低価格帯から高機能端末へ特化する方針転換を実施したものの、2007年初めには中国市場での携帯電話端末生産を停止する計画だ。ただ、NECは開始が見込まれる3Gサービス向けに対応端末の開発を進める方針で、3G端末端末での再起を図る。また、2003年に中国2G端末市場から撤退したシャープも、2007年には3G端末で再参入する計画だ。
にわかに米国が中国や欧州市場よりも盛ん
米国市場向け展開では、シャープが2006年7月に米T-Mobile USA向けワイヤレスPDA「PV200」の販売を開始した。販売開始初日には行列ができるなど注目を集めている。また、10月にはカシオ日立モバイルコミュニケーションズが米Verizon Wireless向けに、タフネス・ケータイ「G'zOne TYPE-V」の供給を開始した。一方、6月にはNokiaが三洋電機との合弁会社設立計画撤回を発表した。また、これまで収益改善が課題であった京セラの北米子会社である米Kyocera Wireless Corporationが第2四半期に黒字化達成に成功している。
普及期に差しかかる3G端末で欧州市場を攻略
欧州市場向け展開では、シャープや日本電気(NEC)の動きが活発だ。シャープが2006年6月から欧州市場で海外市場向け専用3G端末の販売を開始している。これまでシャープは海外市場向けにも国内と同一仕様の携帯電話端末を販売しており、今後はカメラ画素数を減らすなど端末価格を下げることでNokiaや米Motorolaなどに対抗する。一方、NECも2007年から欧州市場向け端末供給を再拡大する計画だ。欧州市場では2007年から3Gサービスが主流になる見通しで、今後は海外市場向けにHSDPA方式などの3.5G端末に注力していく。
【キーワード】
☆3G端末で再起を図る中国市場!!
これまで中国市場では2G端末で苦汁を飲んだものの、NECやシャープが2007年以降に3G端末で再参入を図る。
★三洋ノキア設立が頓挫した米国市場!!
三洋電機とNokiaが2006年6月に、CDMA方式端末事業における三洋ノキアモバイルデバイシス設立計画の撤回を発表した。
3G端末でシェア獲得を狙う欧州市場!!
シャープが2006年6月から欧州市場で海外市場向け専用3G端末の販売を開始し、NECも2007年から欧州市場向け3G端末供給を再拡大する計画だ。
【2.国内外出荷台数推移と予測(2002〜2006年度)】
通期海外出荷は3,000万台を割る可能性大
2006年度上期における海外市場向け携帯電話端末の出荷台数については、さらに数値を公表する端末メーカが減少した。これまでシャープや日本電気(NEC)、三菱電機の3社が数値を公表していたが、三菱電機が海外市場から撤退し、NECも具体的な数値の公表を控えている。三洋電機についても、通期予測からの国内出荷台数を差し引いたものであり、上期中は主力の北米市場で販売不振であったため、通期予測の800万台に影響を及ぼす可能性も高い。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概況
2.5G端末での撤退進むも3G端末で中国市場へ再参入
にわかに米国が中国や欧州市場よりも盛ん
普及期に差しかかる3G端末で欧州市場を攻略
2.国内外出荷台数推移と予測(2002〜2006年度)
通期海外出荷は3,000万台を割る可能性大
図:携帯電話端末の国内外出荷台数推移と予測(2002〜2006年度、エムレポート推定)
表:携帯電話端末の海外出荷台数推移と予測(2002〜2006年度)
3.端末メーカ各社の動向と今後の計画
三洋電機の動向
上期の海外電話機部門の売上高は前年同期比20%減
表:電話機部門の半期別国内外連結売上高推移(2005〜2006年度)
通期出荷は前年同期比10%減の見込み
表:携帯電話端末の半期別出荷台数推移と予測(2005〜2006年度)
マレーシアへ国内生産ラインを移管
【米国市場向け展開】
6月に三洋電機との合弁会社設立計画撤回を発表したNokia
シャープの動向
上期は前年同期比10%増の売上高
表:携帯電話/PHS端末の半期別販売高推移と予測(2005〜2006年度)
上期海外出荷は前年同期比20%減
表:携帯電話端末の半期別出荷台数推移と予測(2005〜2006年度)
【中国市場向け展開】
2007年に中国市場へ3G端末で再参入
【米国市場向け展開】
7月から米T-Mobile USA向けにワイヤレスPDAの販売を開始
表:PV200の主な仕様
図:PV200(表/側面)
図:PV200(キーボード収納時)
【欧州市場向け展開】
6月から海外市場向け専用3G端末の販売を開始
日本電気(NEC)の動向
上期は営業赤字が拡大したモバイルターミナル部門
表:モバイルターミナル部門の半期別売上高推移(2005〜2006年度)
上期の海外出荷台数は大幅縮小
表:携帯電話端末の半期別出荷台数推移と予測(2005〜2006年度)
海外市場向け展開の不調要因
【中国市場向け展開】
中国市場での業務を大幅縮小
【欧州市場向け展開】
2007年から欧州市場向けを拡大
上期売上高は前年同期比30%増の京セラの通信機器関連事業
表:通信機器関連事業の半期別業績推移と予測(2005〜2006年度)
パナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)の動向
上期は前年同期比約30%減になった売上高
表:売上高と営業利益、設備投資額の半期別推移(2005〜2006年度)
表:携帯電話端末の半期別出荷台数推移と予測(2005〜2006年度)
現在は国内市場に専念
ITU TELECOM WORLD 2006で端末2機種を発表した東芝
表:携帯電話端末の半期別出荷台数推移と予測(2005〜2006年度)
表:TX80/TS32の主な仕様
図:TX80/TS32
カシオ計算機の動向
上期は前年同期比約30%増の売上高を記録
表:MNS部門の半期別売上高推移と予測(2005〜2006年度)
【米国市場向け展開】
10月に米国向けに端末供給を開始したカシオ日立MC
表:G'zOne TYPE-Vの主な仕様
図:G'zOne TYPE-V(開閉時/折り畳み途中時)
4.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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