「携帯電話事業者各社の海外動向−2005年度−」
〜広がるi-mode ロシアや英国、シンガポールなどでも開始〜 |
※PDFファイルはパスワードを設定していますので、右クリックでダウンロードください。
【要約】
アジア市場にi-mode提携を進めるNTTドコモ
独E-plus Mobilfunk による2002年3月16日の「i-mode」開始を皮切りに、2005年11月19日にはシンガポールStarHubもサービスを開始した。それに伴い、i-mode採用事業者14社がサービスを提供中だ。今後、独O2 Germanyや香港Hutchison Telephone Company Limi ted、マニラSMART Communicationsでも順次開始される予定になっている。また、有力なi-mode提携先としてはインドやタイ、ベトナム、インドネシアが候補とされる。
i-mode提携以外にも、NTTドコモはアジア事業者6社と国際ローミングや法人向けサービス分野で事業協力を進めることに合意している。6社は台湾Far EasTone TelecommunicationsやインドHutchison Essar、香港Hutchison Teleco mmunications (Hong Kong)、韓国KT Freetel、インドネシアPT Indosat、シンガポールStarHubで、Asia-Pacific Mobile Alliance(仮称)を結成する計画だ。
これまで「GLOBAL PASSPORT」で国際ローミングに対応していたKDDIであるが、2005年9月に「au ICカード」を利用した「GLOBAL EXPERT」を開始した。それに伴い、GSM方式圏の170ヶ国/地域での利用が可能になっている。
これまでボーダフォンはVodafone Groupの一員であったため、携帯電話端末の国際ローミング対応は必須の機能といえる状況にあった。そのため「Vodafone 3G」端末の多くは国際ローミング対応になっており、国内事業者では最多の合計19機種を誇っている。
【キーワード】
☆アジアにi-modeを普及させたいドコモ!!
欧州市場では「i-mode」が広まりつつあるものの、今後はアジア市場にもi-modeの普及を促したい考えだ。
★KDDIもGSM方式圏内で利用可能に!!
KDDIが2005年9月に「GLOBAL EXPERT」を開始した結果、GSM方式圏の170ヶ国/地域での利用が可能になった。
☆さらに対応端末を拡充したボーダフォン!!
ボーダフォンは国際ローミング対応端末の品揃えでは他事業者を大きく引き離しており、現在でも国内事業者最多の19機種となっている。
表:海外事業者によるi-mode開始時期
事業者名 |
提供国名 |
開始時期 |
独E-Plus Mobilfunk |
ドイツ |
2002年3月16日 |
蘭KPN Mobile the Netherlands |
オランダ |
2002年4月初旬 |
Far EasTone Telecoomunications |
台湾 |
2002年6月20日 |
BASE |
ベルギー |
2002年10月15日 |
仏Bouygues Telecom |
フランス |
2002年11月15日 |
Telefonica Moviles Espana |
スペイン |
2003年6月26日 |
伊WIND Telecomunicazioni |
イタリア |
2003年11月19日 |
COSMOTE Mobile Telecommunications |
ギリシャ |
2004年6月7日 |
豪Telstra |
オーストラリア |
2004年11月10日 |
Cellcom Israel |
イスラエル |
2005年9月6日 |
露Mobile TeleSystems |
ロシア |
2005年9月15日 |
英O2 UK(英O2子会社) |
英国 |
2005年10月1日 |
O2 Ireland(英O2子会社) |
アイルランド |
2005年10月7日 |
StarHub |
シンガポール |
2005年11月19日 |
【2.NTTドコモの動向】
携帯電話ユーザ数〜海外i-modeユーザ数は600万を突破〜
海外市場における「i-mode」は2002年3月に開始され、2006年6月末時点で海外事業者14社がサービスを提供している。i-modeユーザ数は2005年6月末時点で500万以上、さらに9月末時点でも500万以上、12月時点で600万以上(推定)となっている。ただ、これまでNTTドコモは決算発表でi-modeユーザ数を提示していたが、2005年度通期決算では発表していない。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概況
アジア市場にi-mode提携を進めるNTTドコモ
GLOBAL EXPERTでGSM方式圏にも対応したKDDI
国際ローミング対応端末は豊富なボーダフォン
2.NTTドコモの動向
【業績推移】
通期で250億円の国際サービス収入
表:国際サービス収入の売上高推移(2003〜2006年度)
小規模ながらも倍増したFOMA+movaの国際サービス総合ARPU
表:NTTドコモにおけるFOMA+movaのARPU推移(2004年度上期〜2005年度通期)
表:NTTドコモにおけるFOMAのARPU推移(2004年度上期〜2005年度通期)
表:NTTドコモにおけるmovaのARPU推移(2004年度上期〜2005年度通期)
【事業の方向性】
4月にアジア事業者7社が国際ローミングなどで提携
表:Asia-Pacific Mobile Alliance(仮称)による提携内容(2006年下期
から順次実施)
表:Asia-Pacific Mobile Alliance(仮称)による検討内容
表:Asia-Pacific Mobile Alliance(仮称)の参加事業者の会社概要
4月にMobile WiMAXチップ・メーカへの出資を発表した米DoCoMo Capital
当面は米国市場の開拓を断念
アジア市場を中心に海外投資を推進
インドやタイなどの海外事業者への出資を検討
05年6月にGCFのFTQOに登録
【携帯電話ユーザ数】
海外i-modeユーザ数は600万を突破
表:海外事業者によるi-mode開始時期
【出資/会社設立の動向】
China Mobileへの資本参加は候補外
3月にKTFと事業協力推進機構を発足
3月にGuam Cellularなどの買収で合意
表:Guam Cellular/Guam Wirelessの会社概要
3月にNTTコムからPLDT株式の一部譲渡を完了
表:PLDT/SMART/FPCの会社概要
05年12月にKTFと業務/資本提携契約を締結
表:KTF/KT Corporationの会社概要
05年12月に中国でモバイル・ペイメント事業会社へ出資
05年10月に英DCM Capital NL UKを解散
表:DCM Capital NL UKの会社概要
05年10月に蘭KPN Mobileとの資本関係を解消
05年8月にタイでモバイル・ペイメント合弁事業を開始
表:モバイル・ペイメント・サービスの主なサービス内容
表:AIS/mPAYの会社概要
05年7月に米DoCoMo Capitalを設立
表:米DoCoMo Capital設立の概要
05年6月に英H3G UKの株式売却が完了
05年6月に米Telargoへ約31億円を出資
表:米Telargo/ULTRAの会社概要
表:米Telargoの今後の提供サービスの予定
【新サービスの動向】
5月からFOMA N900iGのソフトウェア最新化を開始
4月にWORLD CALLでフィリピンを追加
05年12月に海外用携帯電話端末のレンタル料を値下げ
表:海外用携帯電話端末のレンタル料値下げの概要
05年12月にドコモショップでレンタル予約受付を開始
表:ドコモショップでのレンタル料の概要
05年10月に海外の日本法人ユーザ向けにメール・サービスを開始
05年7月から国際MMSの提供を開始
05年7月にWORLD WING/WORLD WALKERで韓国などを追加
05年5月に各種国際サービスのエリアを拡大
【端末の動向】
2年以内に新規端末すべてでGSM方式にも対応
2006年は海外向けi-mode端末を30機種に拡大
4月にNEC製WORLD WING対応シンプル端末の販売を開始
表:FOMA SIMPURE Nの主な仕様
4月にLG製WORLD WING対応シンプル端末の販売を開始
表:FOMA SIMPURE Lの主な仕様
2月にNokia製WORLD WING対応端末の販売を開始
表:FOMA NM850iGの主な仕様
【i-mode採用事業者の動向】
07年4月にHSDPA方式サービスを開始する仏Bouygues Telecom
6月に香港HTCLとi-modeライセンス契約を締結
表:HTCLの会社概要
6月に香港HTCLとおサイフケータイ提供の検討を開始
05年10月にO2 Irelandがi-modeを開始
05年11月にStarHubがi-modeを開始
表:N600i/N411i/S410iの主な仕様
05年10月に英O2 UKがi-modeを開始
05年9月に露MTSがi-modeを開始
05年9月にCellcom Israelがi-modeを開始
05年6月にi-mode採用事業者に端末供給を開始したLG Electronics
表:L342iの概要
表:L342iの共同調達に参加したi-mode採用事業者
表:2005年度におけるNTTドコモの主な海外動向(2005年5月〜6月)
表:2005年度におけるNTTドコモの主な海外動向(2005年7月〜2006年3月)
3.KDDIの動向
【事業の方向性】
GLOBAL EXPERTの開始で利用可能エリアが飛躍的に向上
【新サービスの動向】
2月にGLOBAL PASSPORT(音声)でイスラエルを追加
表:Pelephone Communicationsの会社概要
05年11月にGLOBAL PASSPORT(データ通信)でグアムなどを追加
05年10月にGLOBAL PASSPORT(音声)でマカオを追加
表:China Unicom Macauの会社概要
05年9月にau ICカードの提供を開始
05年9月にGLOBAL PASSPORT(データ通信)で中国を追加
05年7月にGLOBAL PASSPORT(データ通信)で台湾を追加
05年6月にGLOBAL PASSPORT(データ通信)でタイを追加
【端末の動向】
3月にトライ・バンドのGSM方式端末の国内販売を開始したノキア
表:Nokia 3220の主な仕様
05年10月にGLOBAL PASSPORT対応の新端末販売を開始
表:A5514SAの主な仕様
表:2005年度におけるKDDIの主な海外動向
4.ボーダフォン(ソフトバンクモバイル)の動向
【事業の方向性】
資本参加よりも国際ローミング・エリアの拡大
【出資/会社設立の動向】
5月にVodafone Groupとの端末開発会社設立を発表
【新サービスの動向】
6月に国際ローミング(音声)のエリアを158ヶ国/地域に拡大
表:国際ローミング対応エリアの拡大推移(2006年1月19日〜6月28日)
表:国際ローミング対応エリアの拡大推移(2005年10月27日〜12月15日)
05年12月に海外用電源プラグ無料貸出サービスを開始
05年8月からTV電話が日本から海外へ発信可能
05年7月から海外でも3Gカードの利用を開始
05年5月にSK Telecomと3Gローミングを発表
表:2005年度におけるボーダフォンの主な海外動向
5.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
|