「定額制データ通信サービスの最新動向A」
〜携帯電話パケット定額制は開始1年でPHS定額制市場を凌駕〜 |
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【要約】
ようやく100万を突破したAirH"
DDIポケットが2001年8月29日から開始させた「AirH"」が100万ユーザを突破した。しかし、現在では個人向けAirH"ユーザの拡大に鈍化傾向がみられ、好調な法人向け展開が頼みの綱となっている。ただ、DDIポケットは個人向け展開も活性化を促すべく、新端末の市場投入を積極的に行う計画だ。
一方、NTTドコモも2003年4月には「@FreeD」を開始させている。NTTドコモの法人営業には他事業者を大きく凌ぐものがあり、開始1年で30万のユーザを獲得した。NTTドコモのPHS事業も音声ユーザの減少が止まらず、@FreeDへの期待は大きい。@FreeD向けに通話も可能な音声型端末の市場投入などを検討しているとされる。
携帯電話によるパケット定額制も開始
KDDIが2003年11月28日から、CDMA2000 1xEV-DO方式サービス「CDMA 1X WIN」において、パケット通信料が定額となる「EZフラット」を開始した。ただ、対応端末の少なさからか計画どおりにユーザ数が獲得できていない状況となっており、対応端末の拡充が待たれる。
NTTドコモも6月1日から「FOMA」の「iモード」が使い放題となる「パケ・ホーダイ」を開始する。ただ、パケ・ホーダイの対象となる月額基本プランがEZフラットに比べ、高額である点が普及阻害要因となるかどうか懸念される。
【キーワード】
☆大手2社のPHS定額制は130万!!
※DDIポケットの「AirH"」が2004年4月14日に100万契約を突破し、NTTドコモの「@FreeD」も30万のユーザを獲得している。
★ついに開始、パケット定額制!!
※KDDIの「EZフラット」に引き続き、NTTドコモも2004年6月1日から「パケ・ホーダイ」を開始させる。
☆開始1年で市場規模が逆転!!
※後発参入の携帯電話パケット定額制サービスであるが、2004年度末にはPHS定額制データ通信サービス市場を凌駕する見込みだ。
【2.ユーザ数の推移と予測(2003〜2008年)】
個人向けは微増、法人向けは拡大傾向のPHS定額制
2004年3月末現在、DDIポケットのデータ通信サービス「AirH"」は99万のユーザを獲得し、NTTドコモの「@FreeD」が約30万となっている。2003年4月にサービスを開始した@FreeDは1年間で30万となり、NTTドコモのPHSユーザ159万のうち18.9%を占めた。一方、AirH"はDDIポケットのPHSユーザ290万のうち34.1%を占めたものの、2003年度以降、個人向けデータ通信の加入傾向に鈍化傾向がみられるという。
2004年度は600万超の携帯電話パケット定額制
2004年3月末現在、KDDIのCDMA2000 1xEV-DO方式サービス「CDMA 1X WIN」は34万3,000のユーザを獲得した。当初、KDDIでは2003年度末までに45万の加入を見込んでいたが、対応端末の品揃えの少なさからか目標達成には至らなかった。一方、NTTドコモも6月1日から「パケ・ホーダイ」の名称でパケット定額制サービス市場に参入する。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概況
ようやく100万を突破したAirH"
携帯電話によるパケット定額制も開始
2.ユーザ数の推移と予測(2003〜2008年)
個人向けは微増、法人向けは拡大傾向のPHS定額制
図:PHS定額制データ通信ユーザ数の推移と予測
表:PHS定額制データ通信ユーザ数の推移と予測
2004年度は600万超の携帯電話パケット定額制
図:携帯電話パケット定額制ユーザ数の推移と予測
表:携帯電話パケット定額制ユーザ数の推移と予測
3.PHS事業者の動向
DDIポケットの動向
2004年度に音声型端末を6機種投入
AirH"ユーザが100万を突破
表:DDIポケットにおける定額制データ通信サービスの動向
5月からAirH"PHONEセンターの利用料を改定
表:DDIポケットにおけるAirH"PHONEセンターの利用料改定内容
2006年度内に人口カバー率100%を計画
パケット通信料のプライス・キャップ制を導入
NTT局舎内に自社設備を導入
2004年度に数百gの屋内向け基地局を実用化
2004年度にAirH"を最大256kbpsに高速化
PRIN以外にもデータ圧縮サービスの対象を拡大
HOTSPOTの利用料がAirH"で支払可能に
2003年9月末におけるDDIポケットのPHS事業状況
表:個人/法人ユーザにおける全体傾向
表:サービス・エリア拡大計画
NTTドコモの動向
2004年度に@FreeDで60万のユーザ獲得を計画
音声型端末の新規開発を中止
4月からデータ圧縮サービスを開始
@FreeDに期間限定無料サービスを実施
@FreeDでTV電話も可能に
2003年7月末から無線LAN対応PHSカードを販売
アステル各社の動向
アステル各社の事業撤退が相次ぐ
表:アステル各社のユーザ数と動向
3月にPHS事業を廃止したHOTnet
DDIポケットの全国網を借り受ける鷹山
YINを解散させた鷹山
PHS事業の撤退も検討している中部電力
5月にもPHS事業を廃止するHTNet
2005年3月にPHS音声事業を廃止するケイ・オプティコム
エリア拡大を実施したエネルギア
表:エネルギアにおけるMEGA EGG 64の既存提供エリア
表:エネルギアにおけるMEGA EGG 64のエリア拡大
CF型PHS端末の販売を開始したエネルギア
11月にPHS事業を廃止したQTNet
4.MVNOの動向
日本通信の動向
家電にもb-mobileを組み込み
米Intelが出資参加
b-mobileで384kbpsが可能に
U100Cユーザへ無線LAN基地局を無料開放
PDA向け定額制プランの提供を開始したSCN
5.携帯電話事業者の動向
いち早く法人向け定額制サービスを開始したボーダフォン
表:VBAにおける対象コンテンツ利用者あたりの定額接続料
2003年11月末からEZフラットを開始したKDDI
表:CDMA 1X WINの音声型端末の対象となる基本プラン概要
表:CDMA 1X WINにおける人口カバー率の拡大展開
EZフラット利用の簡易監視システムを提供しているKDDI
6月1日からiモードの定額制を開始するNTTドコモ
表:パケ・ホーダイの対象となる基本プラン概要
ヘビー向けのNTTドコモと全般網羅のKDDI
表:EZフラットとパケ・ホーダイにおける同一価格帯での比較
表:EZフラットとパケ・ホーダイにおけるサービス比較
6.その他の通信事業者の動向
TD-SCDMA(MC)方式で定額制を検討するイー・アクセス
7.その他の動向
5月にAirH"PHONEを投入する京セラ
AirH"/無線LANを共用可能にした本多エレクトロンとIOデータ
小型/軽量化CF型PHS端末を投入したSII
CF型PHSを装着可能なPCカードを開発したサン電子
国際ローミング対応CF型端末を開発した本多エレクトロン
SDカード並みのAirH"モジュールを開発した本多エレクトロン
CF型PHSを装着可能なPCカードを開発した富士通メディア
8.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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