|
「小霊通の最新動向A−2003年上期−」
〜大都市にも提供が可能に 2005年には6,000万ユーザへ〜 |
※PDFファイルはパスワードを設定していますので、右クリックでダウンロードください。
【要約】
大都市展開で加入速度も向上
2003年に入って、China Telecom(中国電信)やChina Netcom(中国網絡通信)が北京や広州市など中国の大都市でも小霊通の提供を開始しはじめた。潜在的なロー・エンド層ユーザが極めて多いとされる中国市場で、通話料の割安さや単方向課金が魅力の小霊通はユーザ数が爆発的に増加している。しかし、携帯電話事業者による相次ぐ各種プランや単方向課金の開始により、魅力は若干薄れているのも現状だ。
本格参入に躊躇する日本メーカ
現在、小霊通市場には米UTStarcomの中国現地法人やZTE(中興通訊)などの中国メーカが端末や機器を市場投入している。一方、PHS技術の発祥となる日本のメーカは中国メーカに技術や機器を供給するにとどまる。China Telecom向けのPHS基地局事業では三菱電機が米UTStarcomへ、三洋電機も米UTStarcomやZTE、日立製作所も日立コミュニケーションテクノロジーがZTEやLucent Qingdao(ルーセント青島)へ供給している。
【キーワード】
☆小霊通に活路を見出す事業者!!
China Telecomなどは伸び悩む固定電話市場を活性化させる方針で、固定電話サービスの延長として小霊通に活路を見出そうとしている。しかし、小霊通は3G導入までの“つなぎ”的な役割という見方もある。
★技術提供に終始する日本メーカ!!
現在は米UTStarcomやZTEなどの中国メーカに端末や機器、部品などを供給するにとどまる日本メーカである。しかし、エイビットなどの中小メーカは中国市場への本格参入を計画しているとされる。
☆3Gよりも小霊通を容認した中国政府!!
中国・情報産業部は2000年6月に小霊通の提供は地方都市に限るという通知を出している。しかし、欧州などの先進国における3G導入計画が暗礁に乗り上げている現在、巨額な投資が必要な3G導入は急がずに小霊通容認に転換したとされる。
【2.ユーザ数の推移と予測】
2005年には6,000万まで拡大する小霊通
2002年12月末に1,200万の小霊通ユーザを獲得していた中国市場は、その後もユーザ数を拡大させている。小霊通は浙江(せっこう)省の余杭(よこう)市での試験サービスを皮切りに、西安(せいあん)や杭州(こうしゅう)、昆明(こんめい)の省都へ次第にサービス・エリアを拡大していった。一方、広州市では2003年4月29日から、中国の首都である北京市でも5月17日から正式に開始された。なお、広州市の小霊通ネットワーク構築の第1期プロジェクトでは12,000局以上の基地局が設置され、その規模は東京に次いで世界第2位とされる。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概要
大都市展開で加入速度も向上
本格参入に躊躇する日本メーカ
2.ユーザ数の推移と予測(2001年〜2005年)
図:小霊通の累積ユーザ数推移と予測
表:小霊通の累積ユーザ数推移と予測
2005年には6,000万まで拡大する小霊通
3.小霊通事業者の動向
北方10省・市区で小霊通を提供しないChina Telecom
値引き競争から撤退したGuangzhou Telecom
年内に50万ユーザ獲得を目指すBeijing Com
12月から小霊通SMSが全国で開始
4.携帯電話事業者の動向
対小霊通に値下げなどを実施した携帯電話事業者
小霊通に無線通で対抗
5.メーカの動向
TelecomやNetcom系事業者に供給相次ぐ米UTStarcom
表:米UTStarcomによる中国市場への小霊通設備の供給実績(2003年4月以降)
2003年度は約400億円を下回る三菱電機
中国向けPHS事業を拡大する京セラ
表:京セラの中国向けPHS端末販売台数
2003年度は約700億円を目指す三洋電機
表:三洋電機のPHS事業売上高
2003年度は200億円を見込む日立コミュニケーション
表:日立コミュニケーションのPHS関連売上高
小霊通向け設備拡大はしない方向の沖電気工業
生産ラインの拡大を実施しないPansonic
中国市場進出が大きなチャンスとなる中小メーカ
小霊通にも注力するZTE
自社生産よりも技術入手を選択する海外メーカ
米UTStarcomへNetFrontを供給したACCESS
小霊通向けコンテンツを提供するネットビレッジ
6.その他の動向
3Gよりも小霊通を優先した情報産業部
国際ローミングの拡大を図るDDIポケット
SCDMA方式試験の展開が進む中国市場
7.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
|