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「携帯電話事業者各社の動向−2002年度通期−」
〜業績の鈍化が進むも携帯電話市場は8兆円市場に成長〜 |
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【要約】
上期よりも業績が好調であった2002年度下期
2002年度下期における携帯電話事業者各社の決算は、NTTドコモの売上高が前年度比4.5%増となる2兆4,248億円、KDDI(au事業)は同11.6%増の8,197億円、J-フォンが同11.7%増となる7,492億円を記録した。最大手のNTTドコモが1桁台の伸びに対し、KDDIやJ-フォンは2桁台の成長を残している。
なお、通期ではNTTドコモの売上高が同3.2%増となる4兆8,091億円、KDDIは同6.7%増の1兆6,263億円、J-フォンが同8.1%増の1兆4,610億円となり、各社とも1桁台の伸びにとどまった。通期では上期の影響を受けてか、各社とも伸び率が鈍化している。
2002年度横ばいの見込みとなる2003年度
2003年度通期はNTTドコモの売上高が前年度比1.9%増となる4兆8,990億円、KDDIは同3.7%増の1兆6,860億円となり、各社とも小さな伸びにとどまる予測だ。NTTドコモの携帯/自動車電話事業は同2.0%増の3兆2,200億円となり、2002年度とほぼ横ばいの業績となる見込みとなっている。
各社の事業戦略としては、NTTドコモが「FOMA」やPDC方式への注力、KDDIは「BREW」拡充やCDMA2000 1xEV-DO方式の開始、J-フォンが2003年夏に「Vodafone Gloabal Standard」の本格サービスを開始、ツーカー3社は2002年度下期から引き続きシンプル路線を継続する計画だ。
【キーワード】
☆iショットに救われたNTTドコモ!!
32万という目標は達成した「FOMA」であるが、開始当初の計画とはかけ離れたものとなった。しかし、「504iS」や「251i」シリーズなどが好調で全体のユーザ数は4,386万なっている。
★1x方式を計画どおりに達成したKDDI!!
CDMA2000 1x方式開始当初には初年度700万の達成は難しいとみられていた。しかし、蓋を開けてみれば、2002年度通期で681万とほぼ計画どおりのユーザを獲得し、全体ユーザ数も1,405万となった。
☆写メールの好調が続くJ-フォン!!
2001年6月から開始した「写メール」も、2002年度通期には対応端末が910万台を突破し、J-フォン全体の65.2%が写メール対応端末となった。それに伴い、1,396万のユーザ数となっている。
★シンプル路線が浸透しないツーカー3社!!
2002年度下期からシンプルさや使いやすさを前面に打ち出した携帯電話端末を市場投入した。しかし、ユーザ数は増加せず、2002年度は前年度より約10万減少して378万となってしまった。
【2.携帯電話ユーザ数の推移と予測(2002年〜2007年)】
すでに携帯電話市場の鈍化傾向は進んでおり、2002年度通期は前年度比653万増となる7,565万のユーザを獲得するにとどまった。2001年度は同818万増の6,912万であり、今後はさらに鈍化傾向に拍車がかかっていくものとみられる。また、年々、携帯電話事業者全体の獲得ユーザ数も減少していくものの、大きく累積シェアを崩すようなことはなく、各社ともユーザ獲得数が目減りしていくことになる。
表:携帯電話ユーザ数の推移と予測(単位:万)
年度 |
2002 |
|
2007 |
NTTドコモ |
4,386 |
本レポートに掲載 |
5,100 |
KDDIグループ |
1,783 |
2,230 |
KDDI |
1,405 |
1,870 |
ツーカー3社 |
378 |
360 |
J-フォン |
1,396 |
1,870 |
合計ユーザ数 |
7,565 |
9,200 |
※NTTドコモとKDDIグループの2003年度は各社による予測。
※2003年度のJ-フォンと2004年度以降はエムレポートによる予測。
【目次/図表】
要約
キーワード
図:2002年度通期における携帯電話事業者各社の実績
図:2003年度通期における携帯電話事業者各社の予測
1.市場概要
上期よりも好調な成績を残した2002年度下期
2002年度横ばいの見込みとなる2003年度
2.携帯電話ユーザ数の推移と予測(2002年〜2007年)
図:携帯電話ユーザ数の推移と予測
表:携帯電話ユーザ数の推移と予測
3.携帯電話事業者各社の業績データ一覧
表:携帯電話事業者各社における2002年度下期の業績
表:携帯電話事業者各社における2002年度通期の業績
表:携帯電話事業者各社における2003年度通期の業績予測
表:携帯電話事業者各社におけるARPUの推移
図:携帯電話事業者各社における2002/2003年度通期予測の設備投資額
表:携帯電話事業者各社における設備投資額の推移
4.NTTドコモ
増収増益となるも音声収入が鈍化した2002年度
表:NTTドコモにおける業績の推移
表:NTTドコモにおけるARPU推移
FOMA向け投資は毎年3,500億円以上
表:NTTドコモにおける設備投資額推移
表:NTTドコモにおける携帯電話ユーザ数の推移
iショット対応端末が1,000万台突破
表:iショット対応端末の累積販売台数の推移
マーケティング重視で組織再編を実施
2003年度以降のFOMA端末投入計画
表:2003年以降に投入されるFOMA端末の特長
FOMAに注力しつつもPDC方式にも積極展開
FOMA/PDCデュアル端末を市場投入
FOMA/PDC方式における国際ローミングも拡充
4G実現に向け屋外実験を開始
赤外線通信によるクレジット決済試験を開始
バーチャル決済サービス「DoCommerce」を開始
ぴあがPDC方式向けに電子チケット試験サービスを開始
JALなどと空港業務効率化の実証実験を開始
資本参加よりも技術ライセンスの提供へ
海外メーカが欧州向けiモード端末を供給
Hutchison各社との連係を強化
アジアの大手事業者と3G技術で提携
表:NTTドコモの新サービスと新端末の投入動向(2002年度下期)
5.KDDI
2002年度は増収減益となったau事業
表:au事業における業績の推移
音声ARPUの下落に歯止めがかからず
表:au事業におけるARPU推移
CDMA方式の導入で設備投資が削減!?
表:au事業における設備投資額推移
2002年度は1x方式ユーザを計画どおりに獲得
表:au事業における携帯電話ユーザ数の推移
CDMA2000 1x方式ユーザが800万を突破
表:CDMA2000 1x方式サービスのユーザ数推移
2003年度は600万台のBREW端末を投入
2003年末までにBREWアプリを100種類提供
法人向けBREWアプリに積極展開
BREWとGPS利用の緊急時医療サービス
1xEV-DO方式試験を開始 秋に商用化
表:CDMA2000 1xEV-DO方式サービスの展開計画
1xEV-DO方式で無線LAN事業者と連携
KDDIの通信モジュール戦略
夏以降に新たなCDMA方式通信モジュールを投入
駐車場でクレジット決済を試験
地上デジタル放送が視聴可能な端末を開発
GPSケータイによる物流支援システムを開発
有機EL搭載端末には課題が
YRPに移動通信の先端研究所を新設
表:KDDIの新サービスと新端末の投入動向(2002年度下期)
6.J-フォン
増収増益を達成したJ-フォン
表:J-フォンにおける業績の推移
表:J-フォンにおけるARPU推移
2003年度はVGS向けに2,700億円を投資
表:J-フォンにおける設備投資額推移
プリペイド携帯電話強化の狙い
4月から新組織体制へ移行
J-フォンからボーダフォンへブランド移行
J-フォン・ファミリーの形成でNTTドコモに対抗
メール・ヘッダ取得サービスを開始
非公式サイトの料金回収代行などを開始
表:J-フォンの新サービスと新端末の投入動向(2002年度下期)
7.ツーカー3社
売上高縮小に歯止めがかからないツーカー3社
表:ツーカー3社における業績の推移
表:ツーカー3社におけるARPU推移
表:ツーカー3社における設備投資額推移
表:ツーカー3社における携帯電話ユーザ数の推移
40歳以上を対象にした端末の開発
3Gサービスは2008年頃に参入!?
表:ツーカーの新サービスと新端末の投入動向(2002年度下期)
8.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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