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「基地局関連メーカ各社の動向−2002年度通期−」
〜事業者の3G投資が抑制から2003年度は拡大傾向へ〜 |
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【要約】
下期は事業者の設備投資抑制が影響
2002年度上期は「FOMA」の低調さから、NTTドコモはFOMAに関する設備投資を抑制する措置を取った。2002年度は上期が2,062億円を投下したのに対し、下期は1,363億円と上期を下回っている。また、KDDIもCDMA2000 1x方式への移行が円滑に行われた2002年度は、次なるCDMA2000 1xEV-DO方式向けに上期827億円、下期846億円の通期合計1,673億円と600億円ものダウンとなった。一方、J-フォンの場合、2001年度通期が700億円、2002年度通期は1,200億円と「Vodafone Global Standard」向け投資が急拡大している。
2003年度は事業者各社の3G投資も拡大
NTTドコモの2003年度通期は8,180億円の設備投資を見込むが、その46.6%となる3,812億円を「FOMA」向けに投下する計画だ。KDDIも1,900億円を見込み、前年度比13.6増となった。J-フォンは3,000億円を見込み、そのうち「Vodafone Global Standard」向けが2,700億円だ。事業者各社による3G向け投資総額は8,412億円となり、2001年度以降、最高の投資規模になっている。
【キーワード】
☆2003年度に3G基地局を倍増させる事業者!!
NTTドコモとJ-フォンが2003年度に3G基地局数を倍増させる計画だ。これに伴い、NTTドコモとJ-フォンの3G基地局数がPDC方式並みとなる。
★海外進出が本格化する基地局メーカ!!
基地局メーカにおけるインフラ系の業績が落ち込んでいる。国内向けのみでは浮上が難しいと考えるNECは欧州に、三菱電機が中国市場への進出を図る。
☆2003年度に期待をかける基地局工事会社!!
2002年度上期に引き続き、NTTグループ各社による工事減少に加え、一般工事の受注不振も重なった。しかし、2003年度は3G基地局設置工事の増加が期待される。
【2.携帯電話基地局数の推移と予測(2002年〜2007年)】
NTTドコモの基地局数は完成されたPDC方式エリアに加え、今後は「FOMA」のエリア拡大に伴って大きく増加し、2004年度にはFOMAもPDC方式並みのサービス・エリアになる見込みだ。一方、KDDIは2003年3月にPDC方式の停止に伴い、2003年度以降はPDC方式基地局が償却され、今後は主力となるCDMA2000 1xやCDMA2000 1xEV-DO方式基地局数が増加していく。ツーカー3社の基地局数は現在もなお微増傾向にあり、J-フォンの基地局数は「Vodafone Global Standard(VGS)」基地局の分だけ増加するものとみられる。
表:携帯電話基地局数の推移と予測(単位:局)
年度 |
2002 |
|
2007 |
NTTドコモ |
24,300 |
本レポートに掲載 |
38,300 |
KDDIグループ |
21,100 |
17,000 |
KDDI |
15,100 |
10,000 |
ツーカー3社 |
6,000 |
7,000 |
J-フォン |
18,600 |
27,000 |
合計ユーザ数 |
64,000 |
82,300 |
※エムレポート推定。下2桁は四捨五入。
※NTTドコモのPDC方式は800M/1.5GHzの合計。KDDIのCDMA2000 1xとCDMA2000 1xEV-DO方式はcdmaOneに含まれ、1xEV-DO方式は800M/2GHzの合計。
【目次/図表】
要約
キーワード
図:2002年度における携帯電話事業者各社の現況と2003年度計画
1.市場概要
下期は事業者の設備投資抑制が影響
2003年度は事業者各社の3G投資も拡大
2.携帯電話基地局数の推移と予測(2002年〜2007年)
図:携帯電話基地局数の推移と予測
表:携帯電話基地局数の推移と予測
表:2G/3G別基地局数の推移と予測
図:携帯電話事業者各社における設備投資額と3G投資額合計の推移
3.事業者の基地局に対する動向
NTTドコモの動向
FOMAエリアの拡大は順調
表:NTTドコモのFOMA基地局数の推移
表:NTTドコモのFOMAにおける人口カバー率の推移
表:NTTドコモのFOMAにおける地域別人口カバー率の推移
屋内エリアも積極的に拡大
表:NTTドコモのFOMAにおけるIMCS数の推移
表:関東甲信越地区におけるIMCSの設置状況
表:NTTドコモのPDC方式におけるIMCS数の推移
FOMA向け投資は毎年3,500億円以上
表:NTTドコモにおける設備投資額推移
簡易IMCSを開発
KDDIの動向
cdmaOneの採用によりエリア拡大はスムーズ
CDMA方式の採用で設備投資が削減!?
表:au事業における設備投資額推移
J-フォンの動向
2003年度末には3.8倍の基地局数を計画
表:J-フォンにおけるVGS基地局数の推移
2003年度はVGS向けに2,700億円を投資
表:J-フォンにおける設備投資額推移
ツーカー3社の動向
現在も続くPDC方式のエリア拡大
表:ツーカー3社における設備投資額推移
総務省の動向
事業者4社、秋に低価格中継装置を共同開発
4.基地局メーカの動向
NECの動向
インフラ機器の出荷減少に歯止めかからず
表:ネットワークインフラ部門における売上高の推移
電力増幅能力3倍の基地局向けトランジスタを開発
オランダに3G基地局の流通拠点を設置
富士通の動向
2002年度横ばいを目指す2003年度計画
表:モバイルIPネットワーク部門における売上高の推移
三菱電機の動向
2002年度横ばいを目指す2003年度計画
表:情報通信システム事業における連結売上高と営業損益の推移
表:情報通信システム事業における単独売上高の推移
中国でのW-CDMA方式基地局事業を強化
日立製作所の動向
1xEV-DO方式基地局では他社を約1年先行
表:通信ネットワーク部門における単独売上高の推移
その他のメーカの動向
世界14社に1x方式を供給するモトローラ・ジャパン
世界30ヶ国以上にW-CDMA方式を供給するノキア・ジャパン
J-フォンにW-CDMA方式を供給する日本エリクソン
Relianceから1x方式基地局設備を受注したEricsson
5.基地局関連メーカの動向
富士通研究所の動向
3G基地局向け窒化ガリウムHEMT増幅器を開発
パナソニック モバイルコミュニケーションズの動向
3G対応移動機シミュレータを一般向けに販売開始
アンリツの動向
HSDPA方式測定ソフトを開発
6.基地局工事会社の動向
事業者系工事会社の動向
ドコモエンジニアリングと仏Alcatelが技術協力
表:ドコモエンジニアリングにおける売上高の推移
独立系工事会社の動向
NECシステム建設
表:情報通信システム事業における連結売上高の推移
日本コムシス
表:建設事業(NTT所内系工事)における連結/単独売上高の推移
表:NTTドコモからの工事受注高の推移
協和エクシオ
表:NTT関連通信設備工事における連結/単独完成工事高の推移
表:単独完成工事高におけるNTTドコモ工事分の推移
大明
表:移動体通信工事事業における連結売上高と単独完成工事高の推移
日本電話施設
表:通信建設事業における連結/単独売上高の推移
三和エレック
表:情報通信/NTT/電気設備関連事業における単独売上高の推移
7.関連リンク
表:関連リンク(五十音順)
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