「IPケータイの動向と各社の戦略」
〜2003年春にも各社が参入、定額制通話が武器〜
|
音声もデータ通信も定額制!!
サービス・エリアの問題!!
同事業者間の通話が無料!!
2003年度に50万台!! |
販売開始日:2002年10月29日 |
ページ数:A4版20頁 |
ファイル容量:592kB |
価格:15,000円(税抜) |
|
【要約】
専用番号割り当てで普及が期待されるIP電話サービス
現在、IP(Internet Protocol)電話市場が拡大しつつある。これまでブロードバンド・サービスの“おまけ”とみられることの多かったIP電話サービスだが、すでに2001年12月末時点で約160万のコンシューマ・ユーザを獲得している。ヤフーの「BB Phone」や有線ブロードネットワークスの「GATE CALL」などがある。また、普及を後押しするように、総務省も2002年9月27日から専用番号「050」の申請受付を開始した。これに伴い、これまで発信機能のみであったIP電話サービスも双方向サービスが可能になる。
2003年春をメドに各社がIP携帯電話サービスに参入
2003年春以降にはいよいよモバイル版のIP携帯電話サービスが登場する。アイピートークや鷹山、ケイ・オプティコムなどだ。各社はデータ通信サービスのみならず、音声通話サービスも定額制で提供する方針だ。ただ、無線LANカードを利用したIP携帯電話サービスでは、サービス・エリアが制限されるなど課題も残る。既存の携帯電話サービスに比べ、まだ発展途上なものの“安さ”をウリに携帯電話や固定電話サービスへ戦いを挑む。
【キーワード】
☆音声通話もデータ通信も定額制!!
現在、PHSサービスにおける定額制データ通信サービスが好調だ。これに加え、自社ユーザ間であれば、音声通話サービスも定額制となるインパクトは大きな魅力となる。若年層におけるグループや企業内における携帯電話サービスなどからの一斉移行が期待できそうだ。ただ、これには、たとえ通話料が現状と同等でも、IP携帯電話発信〜携帯電話着信ないし携帯電話発信〜IP携帯電話着信の実現が不可欠となる。
★サービス・エリアの問題!!
PHSデータ通信カードを利用したIP携帯電話サービスの場合、サービス・エリアは現状のPHSサービスのエリアに相乗りできる。しかし、無線LANカードを利用する場合、無線LAN事業者の運営するホット・スポットや会社内、家庭内と限られた場所での利用に制限される。通話や通信をするためにホット・スポットないし無線LANのエリアへ向かわなければならず、まるで公衆電話で電話をかけるかのようだ。低価格が魅力のIP携帯電話サービスも、既存の携帯電話やPHSサービスに見劣りする可能性もある。
☆同事業者ユーザ間の通話が無料!!
参入を予定している各社の計画では、自社ユーザのIP携帯電話サービスであれば、無料通話が可能だ。全国利用が可能な双方向トランシーバともいえる。自社ユーザの中には、IP電話サービスも含まれ、コンシューマはもちろん、通話コスト削減に敏感な企業での利用も進みそうだ。無線LANカードを利用したIP携帯電話サービスであれば、海外通話も無料となる。
【市場規模】
表:IP携帯電話サービスの市場規模推移と予測(単位:万台)
年度 |
2003 |
2004 |
2005 |
2006 |
累積ユーザ |
50 |
本レポートにて掲載 |
500 |
純増ユーザ |
50 |
200 |
※著者推定。
現在、データ通信サービスが普及しているとしても、実際の移動体通信事業者の収入は音声収入が多くを占めている。こうした現状を踏まえると、定額制音声通話が可能なIP携帯電話サービスの普及も見込めるものと考えられる。ただ、既存の携帯電話サービスを超えるものとはみられず、既存の携帯電話やPHSサービスからユーザを奪うことになるだろう。また、無線LANカードによるIP携帯電話サービスよりも、PHSデータ通信カードを利用した方が普及していくものとみられる。サービス・エリアが整備されてこその移動体通信サービスであり、発展途上のホット・スポットを頼りにするよりも、全国で利用可能なPHSサービスに相乗りした方がエリア面のメリットは大きいためだ。
【IP携帯電話の行方】
性能/品質面における課題
現在、IP電話サービスの課題には、(1)接続品質(音質の基準や音のとぎれ、会話の間延びなど)、(2)伝送品質(IPパケットの遅延や損失率、誤り率など)、(3)性能評価方法、(4)輻輳時の対策、(5)緊急通報の確保などがあげられている。これはIP携帯電話サービスにも当てはまる。しかし、IP携帯電話/電話サービスは発展途上なサービスだけに、総務省などによる早期的な課題解決に期待がかかる。
【目次/図表】
要約
キーワード
1.市場概要
専用番号割り当てで普及が期待されるIP電話サービス
図:IPケータイ化されたPHSサービスのネットワーク図
2003年春をメドに各社がIP携帯電話サービスに参入
2.市場規模推移と予測(2001年〜2006年)
IP電話サービスのコンシューマ市場規模推移と予測
図:IP電話サービスのコンシューマ市場規模推移と予測
表:IP電話サービスのコンシューマ市場規模推移と予測
IP携帯電話サービスの市場規模推移と予測
図:IP携帯電話サービスの市場規模推移と予測
表:IP携帯電話サービスの市場規模推移と予測
IP携帯電話サービスの普及拡大要因
表:各社のIP携帯電話サービス概要
IP携帯電話サービスの普及阻害要因
表:DDIポケットとケイ・オプティコムの定額制データ通信プラン
表:NTT東/西日本の固定電話から10円で通話できる秒数
3.アイピートークの戦略
2003年春にIP携帯電話を開始
既存の携帯電話端末に見劣りしない試作端末
図:Mobile IP Talk端末
表:通話品質の比較
三菱電機のIP携帯電話技術の特長
図:Mobile IP Talkのネットワーク図
4.鷹山の戦略
PHS端末利用の各種サービスを開始
図:キャリングIPフォンサービスのネットワーク図
5.その他の各社の動向
ケイ・オプティコムの動向
スリーディー.コムの動向
図:モバイルIPフォンのネットワーク図
NTT-MEの動向
スカイウェイブの動向
DBTELの動向
6.総務省の動向
専用番号の割り当てで普及を後押し
表:IP電話サービスで採用されるプロトコルの特長
7.IP携帯電話の行方
PHS事業者にとっての起死回生策?
性能/品質面における課題
表:IP電話の音声基準
表:IP携帯電話/電話サービスの課題解決
|